幼い頃両親を亡くしたクニコは、そんな逆境の中でも、秀でた絵の才能を開花させて行く。自らの才能と運が味方をし、特待生として美術学校に入学、キュレーターに見初められ、芸大そして、その先の美術界の階段をトントン拍子に進んで行くと思われたのだが、幼馴染み剣持との再開により、運命が大きく狂い始める。
女性の一生と、その前とその先を結びつける、一個の紙コップが圧巻のクライマックスを造り上げる。
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糸電話ってのにものすごく興味がでていた時で、なんで糸電話なんて興味がわいたというと、糸と紙コップのくせに、みょうに電話っぽい雰囲気を醸し出しているんです。こんだけデジタルのがあふれた世界に、糸電話がぼーんって降って来るって絵が頭に浮かんだ時に、この物語がばばばばぁって浮かんだんです。その紙こっぷから、ダメだしが聞こえたらイヤだなぁと思って、そんな話を書きました。
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